記事更新日:2026年08月03日
記事公開日:2025年03月25日
ウェブ上に公開されている資料の中から、よくある質問(FAQ)のデザインが優れているスライドを10枚選びました。
この記事では、事例を「おしゃれ/シンプル」のような印象ではなく、レイアウトの型で5つに分けています。よくある質問のスライドで迷うのは配色やフォントよりも、「何問載せるか」と「その質問を誤解されたら困るか」だからです。20問をさばきたい会社と、解約条件を1問だけ確実に伝えたい会社では、選ぶべき型が変わります。
「もっとよくある質問のスライドを見たい!」と言う方は、よくある質問のスライドデザイン一覧もご覧ください。
\ もっと見たい方はこちら /
まず、5つの型の使い分けを整理しておきます。載せたい質問が何問あるか、そしてその質問が誤解されたときにどれだけ困るかで、選ぶ型が決まります。
| 型 | 得意なこと | 向いている場面 | 質問数の目安 |
|---|---|---|---|
| カードグリッド型 | すべての質問を同じ重さで見せる | どの質問も等しく大事で、順番をつけたくないとき | 4〜6問 |
| 罫線・余白区切り型 | 回答を長く書いても窮屈にならない | 回答に条件や例外の説明が必要なとき | 3〜6問 |
| 会話・吹き出し型 | 読者との距離を縮める | 硬い話題をやわらげたい・カルチャーを伝えたいとき | 1〜4問 |
| 1問1答フォーカス型 | 1問を図で説明しきる | 料金・契約・解約など、誤解されると困るとき | 1問 |
| 情報併載型 | Q&Aを別情報の補足として使う | 選考フローや制度と一緒に見せたいとき | 2〜3問 |
迷ったら、まず「この質問を読み飛ばされたら困るか」を確認してください。困る質問が1つでもあるなら、その1問は他とまとめず1枚に切り出したほうが安全です。
Q&Aを1組ずつカードに入れて格子状に並べる、もっとも使われている型です。カードの枠が質問と質問の境界になるので、読む順番を指定せずに全部を対等に見せられます。

引用元:https://speakerdeck.com/metaps_inc/metatuhusu-hui-she-shao-jie-zi-liao
メタップスホールディングスのよくある質問のスライドです。この型の基本形にして完成形といえる1枚。
白いカードを3列×2行で6問。角丸は大きめ、影はほとんど見えないほど薄く、背景の淡いグレーとの差もわずかです。色は一切使っていません。カードの中でやっていることは、質問文を太字にして、その下に点線を1本引いて回答と分けるだけ。装飾はこの点線だけです。
質問の中身にも触れておきたいところがあります。「業務中にTwitterできますか?」「業務中にQiitaを書いてもいいですか?」「会社でお酒は飲めますか?」と、求人票には絶対に載らない質問が並んでいます。回答も「実は、飲めます。16時以降ですが、オフィスにてサーバーから注ぎたてのビールを無料で飲むことができます」と具体的です。読者が本当に気にしていることを拾いにいっている6問でした。

引用元:https://speakerdeck.com/yayoi_hr/yayoi-company-deck
弥生のよくある質問のスライドデザインです。メタップスホールディングスと同じ3列×2行のグリッドですが、配色が正反対です。
カードを濃紺でベタ塗りし、文字を白抜きにしています。背景は白から淡い水色へのグラデーション。カードだけが濃いので、視線が6枚のグリッドの中に閉じ込められます。前の1枚が「背景に沈めるカード」なら、こちらは「背景から浮かせるカード」です。
細かいところですが、各カードの左端にある「Q.」だけがセリフ体の大きな文字になっています。質問文はゴシック体なので、「Q.」は文章ではなく記号として扱われ、読み飛ばせます。見出しも「よくある質問」ではなく「エンジニアからのよくある質問」。読者を先に絞ったぶん、6問の粒度が揃っています。
カードで囲まず、帯・罫線・余白だけでQ&Aを区切っていく型です。囲みがないぶん、回答の長さがバラバラでもレイアウトが崩れません。条件や例外を書き込みたいときはこちらが向いています。

スピーダのよくある質問のスライドデザインです。囲まない型の王道といえる作りです。
薄いグレーの帯を縦に4本積んでいます。帯の中では、赤い「Q」の1文字と質問の黒い太字が1行目、赤い「A」の1文字と回答のグレーの標準字が2行目以降。色を使っているのはQとAの2文字だけで、質問文にも回答文にも色は入っていません。
注目したいのは帯の高さです。4本すべて高さが違います。1本目の回答は3行、3本目は1行しかありません。カードグリッド型なら高さを揃えたくなるところを、内容の長さにそのまま合わせています。だから「可能です。再度書類選考からとなります。」の1行で終わる質問も、空白が目立ちません。
もう1つ、左の4分の1は「FAQ/選考について」の見出しと余白だけに使い、Q&Aは右の4分の3に寄せています。この1枚が何についてのQ&Aなのかを、質問を読む前に受け取れます。

引用元:https://speakerdeck.com/upsider_official/upsider-engineering-deck
UPSIDERのよくある質問のスライドデザインです。スピーダが帯で区切っていたのに対して、こちらは区切る図形をゼロにしています。
黒背景に2カラムで6問。罫線もカードも帯もありません。区切りは質問と質問の間の余白と、文字の太さだけです。質問は純白の太字、回答は1段下げて中黒を付け、グレーの細字。全部を白にしていないのがうまいところで、黒地に純白の文字が続くとコントラストが強すぎて読み疲れますが、回答をグレーに落とすことで長い回答も読めます。
一本取られたのは下部です。細い枠線のボックスがあり、「候補者の皆様から面接でいただく、ご質問に関してはUPSIDERのNotionページに随時追加し、まとめていますのでご確認ください。」という一文と、「Notionを確認する」ボタンが置かれています。よくある質問は載せ始めるときりがない項目ですが、この1枚は6問で切り上げて、続きを社外のNotionへ逃がしています。スライドの中で完結させることを諦めた設計です。
質問者と回答者を立てて、Q&Aを会話として見せる型です。載せられる問数は減りますが、読者との距離が縮まります。カルチャーを伝えたい資料と相性がいいです。

引用元:https://speakerdeck.com/leverages/leverages-hui-she-shao-jie-zi-liao-ensiniazhi-xiang-ke
レバレジーズのよくある質問のスライドデザインです。この型のもっともシンプルな形です。
1枚に載せている質問は「評価制度について教えてください。」の1問だけ。左に質問者と回答者のイラストアイコンを丸く置き、それぞれに「Q」「A」の小さなバッジを重ねています。右には角丸の白いカード。背景も白なので、カードはごく薄い影だけで浮いています。
質問カードは1行だけ、回答カードは大きく取って、給与構成の説明・評価制度の説明・参照先の3つを空行で分けて書いています。最後の1行が「詳細は【スライド45】をご参照ください。」で、この1枚に書き切ることを最初から放棄しています。1問に絞ったうえで、その1問さえ全部は書かない。余白の量がそのまま読みやすさになっている1枚でした。

引用元:https://speakerdeck.com/halu_japan/zshi-dai-siyotodoramaqi-dian-noci-shi-dai-xing-purodakusiyon
HA-LUのよくある質問のスライドデザインです。レバレジーズがアイコンと吹き出しを整列させていたのに対して、こちらはチャットのUIをそのまま紙面に持ち込んでいます。
白い吹き出しが4組、紙面に散らして置かれています。左下、中央、右上、下と、グリッドには一切乗っていません。それでも質問と回答の対応で迷わないのは、吹き出しの尻尾が相手を指しているからです。整列の代わりに尻尾の向きで関係を示している、というのがこの1枚の答えです。
回答の中身も普通ではありません。「HA-LUって、20代しかいないんですか?」への回答には、CFOと事業部長のプロフィールカード2枚と、それぞれのnote記事のURLが埋め込まれています。「実際、どんな社風の会社ですか?」の回答にも社員の写真とnoteのリンク。テキストで答えて終わりにせず、吹き出しの中を読み物への入口にしています。語尾もカジュアルで、絵文字も使われています。
1枚に1問だけを割り当て、回答を図で説明しきる型です。料金・契約・解約のように、読み飛ばされたり誤解されたりすると後で問題になる質問はこの型に切り出します。

引用元:https://speakerdeck.com/so_kotani/ties-kuraudogu-ke-an-jian-guan-li-sisutemu-sabisufalsegoshao-jie
ties(Crisp Code)のよくある質問のスライドデザインです。この型の完成形といえる1枚。
構成は上から4段です。上端に濃紺の帯で「Q. 利用開始後、いつから支払いが発生しますか?」。その下に「A. 30日間のお試し期間終了後にお支払いの義務が発生します」という結論の1行。さらに下に補足の本文が2行あり、そのうち「お試し期間終了後も利用を継続されない場合は、お試し期間中に解約のお手続きをお願い致します」の部分だけが赤字になっています。
そして下半分がこの1枚の主役です。「お試し期間の途中で解約した場合」と「お試し期間中に解約しない場合」の2本のタイムラインを左右に並べ、オレンジ=お試し期間、赤の斜線=利用できない期間、濃紺=有償期間で塗り分けています。しかも「2月17日」「3月3日」「3月17日」と実際の日付入り。各タイムラインの下には青い吹き出しで「お試し期間中の解約後はご利用になれません」「お試し期間終了後は自動的に利用料が引き落とされます」と結論を再掲しています。
料金と解約は、資料の中でもっとも誤解が起きる話題です。文章で書けば必ず読み飛ばされるところを、図と日付と再掲の3段構えで誤解の余地を消しています。他の質問と一緒にカードグリッドに詰めていたら、絶対にこの精度にはなりません。

引用元:https://speakerdeck.com/yossi2thefuture/he-tong-hui-she-newskool-hui-she-gai-yao-zi-liao
NEWSKOOLのよくある質問のスライドデザインです。tiesが上下に積んでいたのに対して、こちらは左右に分けています。
左が1問1答、右が図です。左上に黒の大きな「Q.」と「なぜ『夜』にフォーカスした事業をしているのか?」、その下にオレンジの大きな「A.」と「夜は人間中心でイノベーションが生まれる時間だから。」という結論の2行。ここだけがオレンジの太字で、根拠を説明する本文2段落は下に小さな標準字で置かれています。結論と根拠で文字の大きさと色を完全に分けている作りです。
右は円を3等分し、「ナイトタイムエコノミー」「ナイトカルチャー」「ナイトソーシャライジング」を配置。外周に矢印を回して3つが循環することを示し、図の下に「夜がもつ3つの価値」と置いています。回答の要素が3つあるので、箇条書きにせず円の分割で並列だと見せています。
そもそもこれは、読者が聞いてくる前提の1問をQ&Aの形で先取りしたスライドです。「よくある質問」は聞かれたことに答えるための項目だと思いがちですが、聞かれる前に説明したいことを質問の形にしてもいい。使い方の発想として一本取られました。
選考フローや制度の説明と同じ1枚にQ&Aを同居させる型です。Q&Aは主役ではなく、図で説明しきれなかったことを回収する役に回ります。

引用元:https://speakerdeck.com/tellernovel/teller-novel-culture-deck
TellerNovelのよくある質問のスライドデザインです。見出しがそのまま設計になっている1枚です。
小さく「CULTURE / PROCESS & FAQ」と置き、その下に大きなピンクの文字で「採用プロセス・よくあるQA」。左に採用プロセスのSTEP図を白いカードに収め、右にQ&Aを3問並べています。背景は淡いピンクのグラデーションです。
左のSTEP図は「STEP1 カジュアル面談(任意)」から「STEP4 最終面接」「最終 内定・オファー」までの5段。黒いラベルが並ぶ中で、最終だけが赤いラベルになっていて、読者のゴールがどこかが一目で決まります。
対して右のQ&Aは、カードも罫線も色も使っていません。「Q:」の太字と「A:」の標準字を交互に置き、質問と質問の間を大きく空けただけ。左に図があるので、右は文字だけに徹しています。
そして質問の選び方です。「副業からでも可能ですか?」「応募から内定まで、どれくらいの期間がかかりますか?」「転職意欲がまだ高くないのですが、気になってます。」の3問はいずれも、左のSTEP図では答えられないことです。図と文が同じことを言っていない。併載型でいちばん難しいところをきちんとやっています。

引用元:https://speakerdeck.com/cinchr/company-introduction
CINCのよくある質問のスライドデザインです。TellerNovelが図とQ&Aの2要素だったのに対して、こちらは新卒採用の情報をすべて1枚に収めています。
左に等身大の人物イラスト。中央上に「New graduate」、その下に「入社後のスケジュール」、細い罫線を挟んで「よくいただくご質問」が3問。右上に業務内容の紺色カード4枚、右下に「新卒ならではの取り組み」の解説。今回の10枚で情報量は最も多く、スライドも縦に長い形です。
これだけ詰めて読み手が迷わないのは、列ごとに軸を分けているからです。中央の列は時系列(4月1日 入社 → 4〜6月 新人研修・配属 → 6〜12月 OJT)、右の列は職種と制度。そしてQ&Aは中央の時系列の列に置かれ、「内定者インターンはできますか?」「配属はどう決まりますか?」「キャリアステップはどうなっていますか?」と、時系列を追う読者が順番に抱く疑問に答えています。Q&Aが列の役割に従っているので、密度が高くても読む場所を見失いません。
回答の書き方も具体的です。「配属はどう決まりますか?」への回答には「過去の実績は、30%がセールス・CS、40%がコンサルタント、30%がその他」と比率が入っています。方針を説明するより、読者の判断材料になります。
今回は「よくある質問」の高品質なスライドを10つ紹介しました。
5つの型を見てきましたが、選び方は「何問載せるか」と「その質問を誤解されたら困るか」のほぼ2つで決まります。6問を対等に見せたいならカードグリッド型、回答に条件や例外が必要なら罫線・余白区切り型、カルチャーを伝えたいなら会話・吹き出し型。そして解約条件のように誤解が許されない1問は、他とまとめず1枚に切り出す。UPSIDERが載せきれない質問をNotionへ逃がしていたように、1枚に全部を収めないと決めることも設計のうちです。
まだもう少し別のデザインを見たい!と言う方は、よくある質問のスライドデザイン一覧もみてくださいね。
スラデザは、国内の高品質なスライドをまとめたギャラリーサイトです。高品質なスライドデザインを参考にしたい!と言う方は、ぜひご活用ください。
\ もっと見たい方はこちら /
ページ
事業内容