記事更新日:2026年08月03日
記事公開日:2024年10月29日
ウェブ上に公開されている資料の中から、事業一覧・サービス一覧のデザインが優れているスライドを14枚選びました。
この記事では、事例を「おしゃれ/シンプル」のような印象ではなく、レイアウトの型で6つに分けています。事業一覧スライドの出来を決めるのは、センスよりも「手元にどんな素材があるか」と「その素材に合う型を選べているか」だからです。UIのスクリーンショットしかない会社と、ロゴしかない会社では、選ぶべきレイアウトが変わります。
「もっと事業一覧、サービス一覧のスライドを見たい!」と言う方は、事業一覧、サービス一覧のスライドデザイン一覧もご覧ください。
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まず、6つの型の使い分けを整理しておきます。自社に何の素材があるか、そして事業一覧のスライドで何を伝えたいかで、選ぶ型が決まります。
| 型 | 必要な素材 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| モックUI並列型 | 各プロダクトの画面キャプチャ | SaaS・アプリを複数持ち、「実物」で信頼を得たいとき |
| ロゴ整列型 | 各サービスのロゴ | サービス数が多く、1枚では説明しきれないとき |
| セグメント色分け型 | 事業区分と、あれば売上構成比 | 「どの事業が主力か」まで伝えたいとき |
| 一覧表・マトリクス型 | プロダクト名と分類軸 | 10個以上あり、網羅性そのものが強みのとき |
| 関係図・フロー型 | 事業同士のつながりの説明 | 単体ではなく「組み合わさること」が価値のとき |
| 実物写真型 | 製品そのものの写真 | 物理プロダクト・食品・アパレルを扱うとき |
迷ったら、上から順に「使える素材があるか」を確認していくのがおすすめです。素材がないのに背伸びした型を選ぶと、埋めきれない余白や意味のない図形が生まれます。
プロダクトの画面を横一列に並べる、SaaS企業でもっとも使われている型です。実物の画面を見せるので「本当に動いているサービスなんだ」と伝わるのが最大の強みです。

引用元:https://speakerdeck.com/heyinc/hey-book
STORES社のプロダクト一覧のスライドです。この型の基本形にして完成形といえる1枚。
5つのデバイスモックを等間隔に並べ、その足元に赤から青へ移り変わるグラデーションの帯を走らせています。この帯があることで、バラバラだったモックが「同じ地面に立っている1枚の絵」に見えます。各プロダクトに添えられているのは「ネットショップ開設・運営」「POSレジ」といった一語だけで、説明文は一切ありません。
その代わり中央に「お店のデジタル化を支援する、5つのプロダクト。」という一文を大きく置き、5つに共通する意味をここで回収しています。

引用元:https://speakerdeck.com/notahotel/not-a-hotel-software-deck
NOT A HOTEL社のプロダクト一覧のスライドデザインです。STORESと同じモック並列型ですが、こちらは色を黒と白だけに絞っています。
やられた、と思ったのはモックの配置です。3つの薄いグレーの角丸カードを置き、その中のモック画像をスライド下端で切り落としています。全体を見せず、あえて見切れさせる。これで「まだ先がある」余韻が出て、3つのカードが窮屈になりません。
プロダクト名には「1.」「2.」「3.」と番号を振っており、読む順番が迷いなく決まります。

引用元:https://speakerdeck.com/findyinc/findy-inc-dot-company-profile
ファインディ社のサービス紹介のスライドデザインです。前の2枚とは対照的に、こちらは説明文をしっかり書くタイプ。
5つのサービスを、淡い青の大きなカード2枚の中に入れ子で収めています。各サービスの頭には紺色の角丸ピルで「キャリア支援」「開発組織改善」「技術メディア」という括りを置き、さらにその横に「ToC」「ToB」「SaaS」の小さなタグ。読者が知りたい「誰向けか」を、本文を読まずに拾えるようにしています。
使っている色は紺・青・白の3色だけ。情報量は多いのに散らからないのは、この色数の制限とカードの入れ子構造のおかげです。
ロゴを並べるだけの、もっとも手数が少ない型です。サービスが多くて1枚では説明しきれないとき、いっそ説明を諦めて「これだけ展開しています」という事実だけを伝えます。

引用元:https://speakerdeck.com/metaps_inc/metatuhusu-hui-she-shao-jie-zi-liao
メタップス社のプロダクト一覧のスライドデザインです。ロゴを並べるときに必ずぶつかる「ロゴごとに縦横比も余白もバラバラ問題」を、きれいに解いています。
答えは、白い角丸スクエアのタイルです。薄いグレーの背景に白いタイルを置き、その中にロゴを収める。これで横長のロゴも正方形のロゴも同じ大きさの四角に揃い、並べたときの視覚的な重さが均一になります。タイルにはごく薄い影がついていて、背景から浮いて見えます。
左側には「INCUBATION/インキュベーション」「PORTFORIO/ポートフォリオ」と、字間を広げた欧文の見出しに日本語を添えた列を配置。左が見出し、右が中身という左右分割がはっきりしています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20250624/140120250624597522.pdf
株式会社イノベーション社のミッション・ビジョンのスライドデザインです。ロゴ整列型を極限まで削るとこうなる、という1枚。
上半分に「『働く』を変える」というミッションを大きく置き、下半分に11個のロゴを3段(3個・4個・4個)で並べているだけ。サービスの説明文はひとつもありません。
それでも成立しているのは、ミッションとロゴ群を上下に並べたことで「この11サービスは全部『働く』を変えるためにある」と読めるからです。ロゴは縦横比がバラバラですが、視覚的な面積が揃うようにサイズを調整してあります。
事業ごとに色を割り当てる型です。「うちは3つの事業をやっています」を伝えるだけでなく、色の面積や添える数値で「どれが主力か」まで踏み込めます。

GameWith社の事業一覧のスライドデザインです。今回の14枚の中で、個人的に一番よくできていると思った1枚。
3つのセグメントを緑・青・赤で色分けし、各列を上から「角丸ピルの見出し帯 → 説明文 → ドーナツグラフ → 収益源 → ロゴ」という完全に同じ順序で組んでいます。列の構造が揃っているので、横に読んでも縦に読んでも迷いません。
そして何より、各セグメントに売上構成比のドーナツグラフを添えている点。「メディア69.5%/eスポーツ・エンタメ24.8%/新規事業5.7%」と数字が出ているので、読者は事業の一覧だけでなく事業の重みまで受け取れます。3色は彩度を揃えてあり、背景には各色の極薄ティントを敷いているので、3色が並んでも喧嘩していません。

引用元:https://pdf.irpocket.com/C4255/KKjE/luma/IzLI.pdf
THECOO社の事業一覧のスライドデザインです。事業が2つしかないケースで、色をどう使うかの見本。
左を青、右を赤という補色に近い2色で振り分け、それぞれに「コア事業」「成長事業」のラベルを付けています。事業の内容ではなく、社内での位置づけで色を分けているのがポイントです。
各事業には、プロダクトのアイキャッチ画像がバナーとして配置されています。立体的に置かれたゲームコントローラーやスマートフォンに誘目性があるので、下に4行の説明文があっても読む気が失せません。事業名の右には「BtoB」「BtoC」のグレータグ。背景右上には薄いグレーの巨大な社名ロゴが透かしとして入っています。

引用元:https://f.irbank.net/pdf/20260331/140120260331594044.pdf
GMOメディア社のプロダクト一覧のスライドデザインです。色分けと表組みを掛け合わせた応用形。
縦方向に「ポイ活領域(オレンジ)」「学び領域(青)」「美容領域(ピンク)」の3領域を色枠で区切り、横方向に「集客支援事業」「ストック系事業」の2階層を背景の帯色で区切っています。つまり縦と横で別々の分け方をしている、2軸のマトリクスです。
領域名は角丸のピルにして枠の上辺に乗せてあり、枠と見出しがつながって見えます。そして各領域の中で、集客支援からストック系へ太い矢印が下向きに伸びている。「まず集客し、そこからストック型に転換する」というビジネスモデルが、レイアウトそのもので説明されています。
プロダクトが10個以上あって、1つずつ丁寧に見せることを諦めた場合の型です。網羅性そのものを見せ場にします。

引用元:https://speakerdeck.com/kubell_hr/kubell
kubell社のプロダクト一覧のスライドデザインです。この型の基本形。
「秘書」「事務」「経理」「労務」「総務」「採用」「営業」「WEB制作」の8領域を4列×2行のカードに並べ、各カードの中に対応業務を箇条書きで入れています。カードはオレンジのヘッダー帯と白いボディの2段構成で、ヘッダーには線画アイコンと領域名が白抜きで乗っています。
使っている色はオレンジ・白・黒文字だけ。もうひとつ見逃せないのが、箇条書きの項目数がカードごとに違う(3個から6個まで)のに、同じ行のカードの高さを全部揃えている点です。下が空いても揃える。ここを妥協すると一覧表は途端に散らかります。

引用元:https://ssl4.eir-parts.net/doc/5591/tdnet/2397887/00.pdf
AVILEN社のプロダクト一覧のスライドデザインです。kubellが8領域だったのに対し、こちらは30個以上のプロダクトを1枚に収めています。
白背景を細い縦罫線で3列に割り、左から「ビルドアップパッケージ(研修16種)」「カスタマイズ型ソフトウエア(モジュール9種)」「パッケージ型ソフトウエア(SaaS 4種)」。左列はさらに「組織開発戦略」「全社員向け」「ビジネスパーソン向け」「エンジニア向け」という対象者の小見出しで束ねてあります。
これだけの数を置いても散らからないのは、全タイルを黒〜ダークトーンに統一しているからです。中央列のタイルには抽象的なテクスチャ画像を暗く敷いて白文字を乗せており、色数を増やさずに1つずつを別物として区別しています。
事業を並べるのではなく、事業同士のつながりを見せる型です。「複数事業をやっている」ではなく「複数事業が噛み合っている」ことが強みの会社に向いています。

引用元:https://speakerdeck.com/smartcamp/sumatokiyanpuzhu-shi-hui-she-hui-she-shao-jie-zi-liao
スマートキャンプ社のサービス概要のスライドデザインです。この型でやるべきことが全部入っている1枚。
上端に「認知拡大 → 見込顧客の獲得 → 見込顧客の興味喚起 → アポ獲得 → 商談化」という購買プロセスの5段階を矢羽根で並べ、濃緑から明るい緑へグラデーションさせて進行を表しています。そしてその下に3つの事業帯を、それぞれが担当するプロセスの範囲だけ横に伸ばして配置。各帯の下に該当サービスのロゴが置かれています。
「マーケティング支援は認知から興味喚起まで、インサイドセールス支援は興味喚起から商談化まで」という担当範囲が、帯の長さと位置だけで読み取れます。縦の点線ガイドがプロセスの列を揃えており、右端にはオレンジの縦長ブロックで「受注(導入決定)」というゴール。緑の中にオレンジが1か所だけなので、視線が最後にゴールへ落ちます。

引用元:https://speakerdeck.com/uluru_hr/biz-recruiting
うるる社の事業一覧のスライドデザインです。スマートキャンプが時間軸で並べたのに対し、こちらは事業同士の相互関係を図にしています。
左に「3つの事業でシナジーを生むうるるのビジネス」という大きなコピー、右に3つの事業ボックスという左右分割。注目したいのは右側の配置で、CGS事業を上に、クラウドソーシング事業とBPO事業を下に置いた逆三角形になっています。下の2つが土台で、上の1つがそこから生まれるという構造です。
さらに下から上へオレンジの三角矢印が2本伸びていて、それぞれに「人のチカラ」「顧客ニーズ/市場トレンド」と書かれています。何が上に供給されているのかまで書いてある。色はオレンジ1色に絞られ、各ボックスの中のサービスロゴだけが色を持っています。
物理的な製品を扱う会社だけが使える型です。UIのモックより圧倒的に強い説得力があります。

引用元:https://www.sapporoholdings.jp/ir/library/factbook/items/integrated_report_2025.pdf
サッポロホールディングス社の事業一覧のスライドデザインです。この型の基本形。
「酒類事業(黄)」「食品飲料事業(赤)」「不動産事業(緑)」を色帯の見出しで区切り、酒類事業だけをスライド上半分いっぱいに、残り2事業を下半分に左右分割で置いています。占有面積そのもので主力事業を示しているわけです。
各事業には説明文に加えて「売上高3,882億円」「販売国数45カ国」「米国におけるアジアビールシェア39年連続No.1」といった数値が、ラベルの下にアンダーラインを引いた形で並びます。そして商品の切り抜き写真は、缶の高さや太さを実際の容量差のまま並べてある。全部同じ大きさに揃えていないので、商品ラインナップの幅がそのまま見えます。

引用元:https://speakerdeck.com/anker_jp/anker-japan-corporate-deck-2026
アンカー・ジャパン社のプロダクト一覧のスライドデザインです。実物写真型を突き詰めると、文字がなくなります。
スライド全面が1枚の製品写真。載っているテキストはページ下部のコピーライトとページ番号だけで、製品名すら書かれていません。
白いL字の段差を組んだ什器の上下に、黒からガンメタの製品を斜め俯瞰で散りばめています。白い背景と黒い製品のコントラストがはっきりしていて、影は柔らかい。整列させずにあえて散らしているのに雑然としないのは、什器の直線が全体に骨格を与えているからです。撮影に投資できる会社の強さがそのまま出た1枚で、一本取られました。
今回は「事業一覧、サービス一覧」の高品質なスライドを14つ紹介しました。
6つの型を見てきましたが、共通していたのは素材に合わない型を選んでいないことです。UIが美しい会社はモックを大きく見せ、ロゴしかない会社は説明を諦めてロゴを整列させ、製品写真に投資できる会社は文字を消しました。手元にある素材を確認してから型を決めれば、事業一覧のスライドは大きく外しません。
まだもう少し別のデザインを見たい!と言う方は、事業一覧、サービス一覧のスライドデザイン一覧もみてくださいね。
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